Shopify Plusの国内BtoB事例まとめ【2025年最新版】

BtoB取引のデジタル化が進む中、Shopify Plusを活用したBtoB ECサイトの構築事例が国内で増えています。これまではD2CやBtoCに強い印象のあったShopifyですが、今やその柔軟性と拡張性を武器に、卸・法人向け取引のプラットフォームとしても活躍の場を広げています。

本記事では、国内企業のShopify Plus導入事例を紹介しながら、BtoB ECの成功要因をひも解いていきます。単なる料金比較や機能説明ではなく、「なぜShopify Plusを選んだのか」「どんな業務課題を解決できたのか」にフォーカスし、導入を検討している企業にとって実用的な視点をお届けします。

KANADEMONO:デザイン性を保ったまま法人向け販売チャネルを確立

出典:サイズオーダー・短納期・送料無料で法人向けに家具を販売(KANADEMONO for business)

家具・インテリアD2CブランドのKANADEMONOは、ShopifyでのD2C成功を経て、Shopify Plusを活用したBtoBチャネル構築に踏み切りました。法人顧客からの大口注文やコーディネート依頼が増える中、D2Cの流れを汲んだUI/UXを維持しつつ、BtoB専用の会員制機能やカスタム価格設定を導入。

出典:サイズオーダー・短納期・送料無料で法人向けに家具を販売(KANADEMONO for business)

導入効果:

  • チェックアウト時のコンバージョン率が約1.3倍向上
  • リピート顧客率3倍(Shopify導入直後 vs 現在)
  • 法人会員向けストアを3ヶ月で開設
  • B2Bの顧客数 10倍増、平均月間売上3.4倍

同社のBtoBサイトでは、ログインユーザー別に価格や商品ラインナップを出し分ける設計が採用されており、Shopify Plusならではの柔軟な権限管理機能が大いに活用されています。

Tree of Life(生活の木):FAX・電話注文からの脱却で業務効率化を実現

出典:法人様向けの業務用会員通販サービス(生活の木 ビジネススマート)

アロマ・ハーブ製品を展開する「生活の木」では、以前は法人向け注文の多くをスタッフが手作業で受けており、対応の煩雑さが課題となっていました。Shopify Plusの導入により、BtoB専用サイトを新設し、業務店向けの注文・納品プロセスを完全にデジタル化。1日20件以上のFAXと電話対応によるお問い合わせが0になり、コスト削減に繋がりました。

ポイントとなるのは、「Wholesale Order Form & ReOrder」を利用して、B2B顧客特有の「一括注文フォーム」が作成できたことで、購入プロセスの効率化につなげることができ、注文数の増加に繋がっています。

出典:法人様向けの業務用会員通販サービス(生活の木 ビジネススマート)

Wholesale Order Form & ReOrder」はShopify app storeよりダウンロードして、既存のShopifyと合わせて利用することができます。ただ日本語翻訳されていないため、技術的な対応はエンジニアなど頼ったほうがスムーズかもしれません。

出典:Shopify app Store


BtoB取引特有の業務プロセスまで視野を入れて、自動化・効率化できたとても良い事例といえます。

DAISO:BtoBとBtoCを統合したECインフラの構築

出典:まとめ買いオンラインショップ

日本を代表する生活雑貨チェーンであるDAISOも、Shopify Plusを導入し、BtoB専用オンラインショップの構築に成功しています。注目すべきは、BtoCサイト「ネットストア」とBtoBサイト「ショップストア」を同一基盤で運用している点です。

DAISOでは、卸先企業ごとに個別の発注条件や配送拠点設定が必要でしたが、Shopify Plusではチェックアウトフローや注文ロジックを柔軟にカスタマイズできるため、それらをスムーズに反映。数万点に及ぶSKUを効率的に管理しながら、卸向けの発注精度とスピードを高めることに成功しています。

このように、BtoBとBtoCのハイブリッド運用をShopify Plusで実現した点は、多くの国内企業にとって大きな参考になるはずです。

カンロ株式会社:老舗企業が挑んだブランドECとDXの融合

出典:Kanro POCKET|Kanro POCKeT限定商品をはじめ、ヒトツブカンロや、袋キャンディ・グミなどのカンロ商品を販売

創業110年の歴史を誇る老舗菓子メーカー、カンロ株式会社は、コロナ禍における店舗休業を契機に、Shopify Plusを導入しデジタル販売チャネルを再構築。同社が立ち上げた「Kanro POCKeT(カンロポケット)」は、ブランドサイトとECを統合したオンラインプラットフォームとして、多くの注目を集めています。

当初は、休業による余剰在庫の活用を目的とした簡易ECサイトからのスタートでしたが、Shopify Plusへの移行により、柔軟な商品展開・スピーディなキャンペーン設計・ブランド体験設計を高次元で実現。結果として、自社EC流通総額175%増という大きな成果を上げました。

出典:Kanro POCKET|Kanro POCKeT限定商品をはじめ、ヒトツブカンロや、袋キャンディ・グミなどのカンロ商品を販売

本取り組みは、BtoC向けの印象が強い菓子業界において、法人・業務向け販路のデジタル対応や商品卸の検討基盤にも応用可能なフレームを提供しており、Shopify Plus BtoB 導入事例としても国内で高く評価される動きです。

特に注目すべきは、「ECを単なる販路でなく、ブランド価値と体験を伝える手段」として再定義している点であり、Shopify Plusの多機能性を戦略的に活用している好例といえます。

BtoB ECサイト構築のポイント

BtoB向けのECサイトは、単に「ネットで注文できる仕組みを作る」だけではうまくいきません。取引先ごとに異なる価格設定、最小注文数、請求書払いなど、BtoBならではの商習慣に寄り添った仕組みが必要になります。

Shopify Plusには、こうした法人取引に必要な機能が揃っており、柔軟にカスタマイズすることも可能です。ただ、それを使いこなすには、自社の業務フローや顧客との関係をしっかり見つめ直すことがとても重要です。

「ECにすれば自動でうまくいく」わけではなく、今あるリアルなやりとりをどうデジタルに置き換えるか、一つひとつ丁寧に設計していく作業が求められます。

だからこそ、BtoBのEC構築は時間がかかることが多くあります。しかし、検討期間でじっくりと業務の効率化やお客様の満足度アップにつながり、自社にとって大きな資産になる仕組みができます。「少しずつでも進めてみたい」「何から始めたらいいか知りたい」そんな段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。株式会社ウキヨは、貴社の事業目標に合ったECの選定からご一緒に支援しております。