ShopifyでBtoB取引は可能なのか?
Shopifyは世界中で利用されているECプラットフォームですが、日本国内では「Shopify=D2C」や「Shopify=BtoC」のイメージがいまだ根強いかもしれません。しかし近年では、法人間取引にも対応した構築事例が増えており、BtoB専用の仕組みをShopify上に構築する企業が着実に増加しています。
BtoBにおいては、顧客ごとの価格設定(カスタムプライシング)、支払い条件(後払い・掛け売り)、最小注文数(MOQ)、取引先限定の非公開商品など、BtoCとは異なる細やかな要件があります。Shopifyは、標準プランでもテーマ編集やアプリ導入でこれらの一部を実装可能ですが、フルスケールで法人向け取引を行うには「Shopify Plus」の導入が現実的です。それらの注意点も踏まえてご紹介いたします。
Shopify Plusとは?BtoBに必要な機能が揃っているのか

Shopify Plusは、エンタープライズ向けに設計された上位プランで、法人取引に求められる要件に応える数々の機能を備えています。
例えば、下記のようなBtoB特有のニーズに対応しています。
- 顧客ごとの価格設定(カスタムプライシング)
- ボリュームディスカウント(数量割引)
- 複数ロケーションごとの注文・納品管理
- 特定顧客への非公開商品表示
- 請求書払い(Net Terms)などの支払い条件設定
導入企業は、アカウントごとの契約条件に応じて異なる価格・商品・支払条件を設定でき、柔軟な法人向けECサイトを構築できます。
他社と比較してShopifyはBtoB向けに向いているのか
BtoB ECのプラットフォームとして、Shopify以外にも「ecbeing」「W2」「Bカート」「アラジンEC」など多くの選択肢があります。それぞれに特徴があり、Shopifyはその中でも柔軟なデザイン性と運用のしやすさが評価されています。
比較項目 | Shopify | 他社BtoBカート(例:Bカート) |
---|---|---|
初期費用 | 比較的低め(テンプレ活用可能) | 数十万〜数千万円までコストの上限なし |
月額料金 | Plusで高額だが段階的スケーラブル | プランによる機能制限あり |
デザインの自由度 | Shopify独自のテンプレートあり | 固定のテンプレ or 別途カスタマイズ費用必要 |
マーケ機能 | Shopifyアプリや外部ツール連携が豊富 | 自社開発が必要なケースも |
一方で、専用カートシステムのほうが標準でBtoB機能が網羅的であるという強みがあります。
例えば、BtoBの中でも既存顧客と新規顧客の販売商品をストアごとに分けたい等のニーズも”Shopify Plus”プランなら複数ストア開設ができるため、導入後の保守性も高いです。
Shopify BtoB 料金を考慮する際も、単純な月額費用だけではなく、「開発スピード」「デザインの柔軟性」「将来の拡張性」など、総合的なコストパフォーマンスで評価することが重要です。

【事例紹介】ShopifyでBtoBを成功させた企業の実例
実際にShopifyを活用してBtoB ECを成功させている国内企業も増えています。
下記の記事でご紹介しております。

ShopifyでBtoB ECを成功させるために
日本企業におけるDX・業務自動化の波はBtoB領域にも確実に広がっており、**「FAXや電話での受発注をEC化したい」「既存取引先専用のサイトを構築したい」**というニーズが日々高まっています。
こうした中で、Shopifyは単なるネットショップ構築ツールではなく、戦略的な法人向け取引のインフラとして活用できる時代になりました。特に「Shopify Plus」は、掛け売りや顧客ごとの価格設定、非公開ページの作成など、従来のBtoB業務で必須とされていた機能を、アプリやAPIを通じて柔軟に実現できます。
しかし一方で、Shopify Plusを活用してBtoB ECを構築するには、専門的な設計と業務理解を前提としたパートナーの支援が不可欠です。導入の成功は、プラットフォームそのものよりも「誰と組むか」によって大きく左右されます。