【セミナーレポート】「守り」で終わらない“攻めのDX”

2030年の労働力不足を勝ち抜く事業開発の新常識

製造業や卸売業において、今や「DX」という言葉を聞かない日はありません。しかし、その多くが単なる「ITツールの導入」という守りの効率化に留まり、本来の目的であるはずの「売上拡大」や「新事業創出」に繋がっていないのが現実です。

2025年11月に開催された本セミナーでは、株式会社ウキヨ 代表取締役の吉岡大輝が登壇 。経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」や深刻な労働力不足というマクロ環境を背景に、単なる事務効率化を超えた「事業成長を創り出すためのDX戦略」の本質が語られました 。

本記事では、セミナーのハイライトとして、DXを「攻めの武器」に変えるための思考法と具体的な実践ポイントを抜粋してお届けします。


本セミナーの概要

  • DXを「IT導入」で終わらせないための再定義
  • 2030年に直面する「98万人の人手不足」への対抗策
  • 「攻めのDX」を加速させる3つの実践ポイント
  • ノンコア業務を80%削減し、売上を7割増大させた成功事例

1. 【結論】DXは「手段」であり、真の目的は「事業成長」にある

セミナーの冒頭、吉岡は「DXという言葉の独り歩き」に警鐘を鳴らしました。

「DXは事業推進の手段であり、目的ではありません。何を変革することで、何を実現すべきかという経営目標から逆算する必要があります」(ウキヨ・吉岡氏)

DXの本質は、デジタルというレバレッジを効かせて、経営における「収益向上(攻め)」と「コスト削減(守り)」の積(掛け算)を最大化することにあります 。 単なるコストカットという「守り」に終始するのではなく、そこで創出した余力(可処分時間)をいかに「攻め」の事業成長へ再投資するか 。このグランドデザインを描くことこそが、次世代の経営者に求められる役割です。

参照:セミナー資料 p.9「Digital Transformation 何を変革することで、何を実現すべきか?」|株式会社ウキヨ


2. 「2025年の崖」と人手不足:待ったなしの構造的課題

なぜ今、これほどまでにDXが叫ばれているのか。そこには、企業の存続を脅かす構造的なマクロ環境の変化があります。

  • 経済損失12兆円の衝撃(2025年の崖)既存システムの老朽化・ブラックボックス化により、年間最大12兆円の経済損失が生じると試算されています。
  • 「人がいないから事業を縮小する」という現実2030年には製造・卸売・小売業で約98万人、2040年には日本全体で1,100万人もの労働力が不足します 。人手不足を理由とした倒産件数は増加傾向にあり、もはや従来のマンパワーに頼った運営は「緩やかな死」を待つことに等しいといえます。

「ITツールの導入=DX」という誤った考えを捨て、限られた労働力で事業を継続・成長させるための「デジタル産業への改革」へ舵を切る必要があります。

参照:セミナー資料 p12「人手不足の影響とDXの意義」|株式会社ウキヨ


3. 「攻めのDX」を加速させる3つの武器と「バケツの穴」

戦略を具体化し、競争優位性を構築するために必要なステップは以下の3点に集約されます 。

  1. データ分析:既存アセットの一元化自社の商品、サービス、顧客データ、販売履歴を徹底的に可視化します 。分散したデータを一元化することで、埋もれていた「新たな需要」や「顧客の掘り起こし」という攻めの起点を見つけ出します 。
  2. デジタルとの掛け算設計:代替から拡大へ販路のデジタル化(B2B EC等)や生成AIを活用し、既存業務をデジタルで「拡大」させます 。人間が行う必要のない業務をデジタルに「代替」させることが第一歩です 。
  3. MVPでの実証:最小単位での検証(PoC)大規模投資の前に、収益性を検証するための最小単位(MVP)でテストを行います 。現場とのズレを迅速に修正することが、投資リスクを最小化する唯一の道です 。

ここで吉岡は下記のような比喩で説明しました。

現場の「バケツの穴(業務の目詰まり)」を放置したままツールを導入しても、成果は漏れ出していきます。どの穴を塞げば組織が回り出すのかを特定することが、成功への最短ルートです。


まとめ:【事例公開】売上を1億円へ引き上げた「営業DX」の実績

本セミナーでは、理論を成果へと昇華させた具体的な導入事例についても詳しく解説されました。

本記事では紹介しきれなかった、売上拡大に向けた具体的なKPI指標の立て方や、各業界の成功ロードマップについては、セミナー資料にて全スライドをご覧いただけます。 自社の「次の一手」を具体化したい方は、ぜひ下記より詳細をご確認ください。