「BtoB ECシステムを導入したいが、種類が多くてどれを選べばいいか分からない」「コストを抑えつつ、自社の複雑な商流に対応できるシステムを探している」とお悩みのIT担当者様や経営者様へ。
BtoB ECシステムは、企業の売上や業務効率に直結する重要な基盤ですが、選び方を間違えると「機能が足りずに業務が回らない」「カスタマイズ費用が想定外に膨らんだ」といった失敗を招きかねません。 自社の規模や課題に合ったシステムを選ぶためには、表面的な価格だけでなく、将来の拡張性や連携機能を正しく比較することが重要です。
本記事では、システム選定の基礎知識から、失敗しないための比較ポイント、そして主要な構築手法のメリット・デメリットまでを徹底解説します。
【この記事でわかること】
- 自社に最適なシステムを見極めるための、4つの構築手法(ASP・パッケージ等)の違い
- 導入後に後悔しないために確認すべき、BtoB特有の必須機能(掛率・承認フローなど)
- 「コスト」と「機能」のバランスを考慮した、失敗しない比較検討のポイント
- 基幹システム連携を見据えた、拡張性の高いシステムの選び方
なぜ今、BtoB ECシステムが必要なのか
拡大するBtoB EC市場とアナログ業務のリスク

経済産業省の調査でも示されている通り、BtoB ECの市場規模は年々拡大を続けており、全取引金額に対するEC化率も上昇の一途をたどっています。
一方で、依然としてFAXや電話での受注を続けている企業も存在します。しかし、労働人口が減少する中で「属人的なアナログ対応」を続けることは、入力ミスのリスクだけでなく、採用難による「受注業務の停止リスク」さえ孕んでいます。 システム導入による業務の自動化は、単なるコスト削減ではなく、企業の存続(BCP対策)に関わる重要な経営課題となっています。
BtoB(企業間取引)とBtoC(消費者向け)ECの決定的な違い
システム選定で最も重要なのは、「Amazonや楽天のような一般向け(BtoC)サイトとは仕組みが全く違う」という点を理解することです。BtoBには特有の「4つの商習慣」があり、これに対応できるシステムでなければ運用に乗せることはできません。

1. クローズドな売場環境(会員制)
誰でも閲覧・購入できるBtoCとは異なり、BtoB ECは「承認された取引先しか入れない」会員制サイト(クローズドサイト)が基本です。ログインIDごとに表示する商品を変える「販路制限」なども必要になります。
2. 顧客ごとの複雑な価格設定(掛け率)
「A社は定価の8掛け」「B社は大口なので7掛け」といった顧客ごとの価格設定(ランク別価格)が必須です。
3. 決済方法(掛け売り・与信管理)
クレジットカード決済だけでなく、「月末締め翌月末払い」などの請求書払い(掛け売り)が商流の基本です。与信枠の管理機能も求められます。
4. 荷姿・配送単位の違い
「バラ売り不可」「ケース単位のみ発注可能」「パレット配送」など、BtoB特有の物流ルールをシステム上で制御する必要があります。
BtoB ECシステムの構築手法4パターンと費用感
構築手法とは、システムを開発・導入するためのベースとなる仕組みのことです。
大きく分けて「ASP/SaaS」「パッケージ」「オープンソース」「フルスクラッチ」の4種類があり、予算やカスタマイズ性に応じて最適な手法が異なります。例えば、初期費用を抑えてスピーディーに始めたい場合はASPが適しており、独自の業務フローを完全に再現したい場合はパッケージやフルスクラッチが選ばれます。
自社に合ったシステムを選ぶために、まずは大きく4つの構築手法(種類)を把握しましょう。それぞれコストや拡張性が大きく異なります。

1. ASP / SaaS型(スモールスタート向け)
クラウド上のシステムを利用する形式です。初期費用が安く導入が早いのがメリットですが、個別のカスタマイズが難しいケースが多いです。 代表例:Bカート、楽楽B2B など
2. パッケージ型(中規模向け)
ベースとなるシステムを購入し、自社サーバー等にインストールしてカスタマイズします。必要な機能が標準搭載されていることが多いですが、初期費用は高くなります。 代表例:ecbeing など
3. クラウドEC型(拡張性重視)
SaaSの手軽さと、パッケージのカスタマイズ性を併せ持った形式です。システムが自動でアップデートされるため、セキュリティ面でも安心です。2026年現在、多くの企業がこの形式への移行を進めています。 代表例:Shopify Plus、ebisumart など
4. フルスクラッチ(大規模・独自要件向け)
ゼロからシステムを独自開発します。どんな要件も実現できますが、開発期間が長く、数千万円規模のコストがかかります。
【プロが教える】失敗しないBtoB ECシステム選定 7つのポイント
例えば、「既存の基幹システムとデータ連携ができるか」「取引先ごとに異なる単価(掛け率)設定が可能か」「将来的な取引増加に耐えられるサーバー強度があるか」など、BtoB取引ならではの観点でチェックする必要があります。
ここからは、実際にシステムを選定する際に確認すべき、具体的な7つの機能・要件について解説します。
① 基幹システムとの連携実績(API・CSV)

最も重要なポイントです。ECで注文を受けても、在庫情報や受注データが基幹システム(販売管理システム)と連動していなければ、結局手入力が必要になります。「自動連携が可能か」「連携実績は豊富か」を必ず確認してください。
② 取引先ごとの「価格・商品出しわけ」ができるか
顧客ランクに応じた掛率設定はもちろん、特定の代理店にのみ新商品を表示するといった制御が可能かを確認しましょう。
③ BtoB特有の必須機能(カスタマイズ性)
一般的なネット通販(BtoC)にはない、企業間取引独自の商習慣に対応するための機能のことです。
例えば、請求書払い(掛け売り)に対応した「決済機能」や、見積書の発行機能、あるいは発注担当者が上長の承認を得てから注文を確定させる「承認ワークフロー機能」などがこれに当たります。
④ 代理注文機能(営業担当による代行入力)
パソコン操作が苦手な取引先に代わって、自社の営業担当がタブレット等で代理入力できる機能です。FAXからの移行期には必須の機能と言えます。
⑤ 既存顧客にとっての「使いやすさ(UI/UX)」
「いつもの商品をリピート注文(購入履歴からの発注)」機能や、品番入力での一括注文など、バイヤー側の業務時間を短縮する機能が充実しているかが重要です。
⑥ セキュリティとサーバーの堅牢性
取引先情報や掛率などの機密情報を扱うため、高度なセキュリティ対策が必要です。
⑦ コストパフォーマンスと導入後のサポート体制
初期費用・月額費用だけでなく、運用開始後の保守や拡張にかかるトータルコストと安心感のことです。
例えば、安価なシステムを導入しても、トラブル時のサポートがメールのみで対応が遅かったり、機能追加に追加費用がかさんだりしては意味がありません。ベンダーのサポート範囲や、バージョンアップの頻度なども重要な選定基準となります。
よくある導入失敗事例と対策
良いことばかりではありません。BtoB EC導入でよくある失敗パターンを知っておくことで、リスクを回避できます。
失敗例1:取引先(バイヤー)がシステムを使ってくれない
原因:画面が使いにくい、またはFAXの方が楽だと思われている。 対策:導入初期はFAXと併用期間を設け、徐々に移行するロードマップを引く。また、マニュアル作成や説明会を行う。
失敗例2:社内の営業担当が反発する
原因:「自分の仕事(受注入力)が奪われる」「顧客接点が減る」という誤解。 対策:ECは「事務作業」を代行するものであり、営業は「提案活動」に専念できるようになるという意識改革(DX教育)を行う。
システム選定から導入までの流れ
- 現状課題の洗い出し:アナログ業務の工数やミス発生率を数値化する。
- 要件定義(RFP作成):必須機能と予算を決める。
- ベンダー比較・選定:複数社から提案を受け、デモ画面を確認する。
- 開発・基幹連携テスト:データの整合性を入念にチェックする。
- 取引先への案内・移行期間:操作マニュアルの配布や説明会実施。
特に「社内稟議」を通す際は、導入によるコスト削減効果(ROI)を明確に示すことが重要です。
まとめ:自社の商習慣に合ったシステム選びを
BtoB ECシステム選びにおいて、「多機能であれば良い」というわけではありません。最も重要なのは、「御社の複雑な商習慣や業務フローに、システムが柔軟にフィットするかどうか」です。
株式会社ウキヨでは、単なるシステム開発だけでなく、基幹システムとの連携や、現場に定着させるための業務フロー設計まで一貫してサポートしております。
「自社にはどのシステム(SaaSかスクラッチか)が合うかわからない」「他社では難しいと断られた要件がある」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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