BtoB ECで営業は不要になる?共存こそが売上30%増への最短ルート【成功事例・役割分担図付き】

BtoB ECの導入を検討しているものの、「営業担当者の仕事がなくなるのではないか」「社内の反発が怖い」といった不安をお持ちの経営者様・推進担当者様へ。

「BtoB ECサイトを導入すると、営業担当者は不要になる」——導入検討の際、現場からこのような声が上がることは珍しくありません。しかし、結論から申し上げます。その不安は誤解です。

データと多くの成功事例が示す事実は、「EC導入に成功している企業ほど、営業担当者の市場価値と重要性が高まっている」ということです。本記事では、その理由と具体的な方法を解説します。

この記事でわかること

  • 「EC導入で営業は不要」という誤解が解け、共存すべき理由がわかる
  • EC(守り)と営業(攻め)の最適な役割分担が図解で明確になる
  • 営業現場が自らECを使いたくなる「評価制度」や「メリット」の伝え方
  • 共存に失敗してしまう企業の共通点と、その回避策

なぜ今、「BtoB ECと営業の共存」が不可欠なのか?

BtoB ECと営業の共存とは、デジタルツールと人的リソースを融合させ、組織全体の生産性を最大化する戦略のことです。例えば、これまで営業担当者が手作業で行っていたルーチンワークをECに任せることで、営業はより付加価値の高い提案活動に注力できるようになります。市場の変化に対応し、企業が生き残るためには、この「共存」が不可欠です。

データで見るBtoB EC市場の拡大

経済産業省の「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」によると、BtoB-EC市場規模は年々拡大を続け、EC化率(電話やFAXではなく電子的に取引される割合)も40%を超えています。

これは、バイヤー(発注担当者)の世代交代が進み、「電話で在庫を聞くより、Webで即座に確認して注文したい」と考える層が意思決定者になっていることを意味します。もはやECへの対応は「あったら便利」ではなく、「対応していないと選ばれない」リスクになりつつあります。

営業現場が抱える「時間がない」問題

営業担当者の業務時間配分の変化円グラフ:移動・事務作業をECに任せることで、本来注力すべき「商談・提案時間」が30%から60%へ倍増し、生産性が大幅に向上したビフォーアフター

一方で、多くの営業現場は疲弊しています。ある調査では、営業担当者の業務時間の約40〜50%が、「移動」「見積書作成」「在庫確認の電話対応」「伝票入力」などの非コア業務(直接売上を生まない作業)に費やされていることがわかっています。

人手不足が加速する中、これらの事務作業をマンパワーで維持するのは不可能です。ECと営業が共存し、事務作業をデジタルに任せることは、企業の生存戦略そのものと言えます。

【図解】ECと営業、それぞれの「得意領域」と役割分担

ECと営業の役割分担とは、それぞれの機能的特性に合わせて業務を最適に振り分けることです。例えば、24時間ミスなく稼働できるECには「受注処理や在庫確認」といった守りの業務を、感情や信頼関係が重要な「複雑な商談や課題解決」といった攻めの業務は営業が担う、といった明確な住み分けが重要です。

ECと営業の役割分担マトリクス図(取引額×商品複雑性):標準品・小口取引は「BtoB EC(自動化)」、特注品・大口取引は「対面営業」や「インサイドセールス」へ振り分け、付加価値の高い業務へシフトするDX戦略

1. ECに任せるべき「守りの業務」

「いつもの商品を、いつもの価格で、いつもの場所に送ってほしい」。こうした定型的なリピート注文は、ECが最も得意とするところです。特に、営業担当者が訪問しきれない小口顧客や地方顧客への対応をEC化することで、機会損失を防ぐことができます。

2. 営業が集中すべき「攻めの業務」

ECが事務処理を肩代わりしてくれた分、営業担当者は人間にしかできない業務に集中できます。顧客の潜在的な課題を聞き出すヒアリング、新製品のプレゼンテーション、複雑なカスタマイズの調整など、付加価値の高い仕事こそが本来の営業の役割です。

営業担当者が「ECを使いたくなる」3つのメリット

営業担当者がECを使うメリットとは、個人の業務負荷が減り、より成果を出しやすくなる環境が得られることです。例えば、外出先からの在庫確認がスマホ一つで完結したり、事務作業から解放されて商談準備に時間を使えたりと、会社だけでなく働く個人にとっても大きなプラスになります。

1.「御用聞き」からの脱却

「在庫ありますか?」「この型番の金額は?」といった電話対応が激減します。外出先からスマホで在庫を確認して即答できるようになるため、レスポンスが早くなり顧客満足度も上がります。

2. 顧客の「欲しい」が事前にわかる(データ活用)

顧客がECサイトで「どの商品を見たか」「カートに入れたが買わなかった商品は何か」などのログを確認できます。訪問前にこれを知ることで、「ちょうどその商品について提案をお持ちしました」という、刺さる商談が可能になります。

3. 評価される仕事に時間を使える

事務作業が減った分、新規開拓や大口商談の準備に時間を割けるようになり、結果として個人の成績アップに繋がります。

失敗から学ぶ!共存に失敗する企業の「3つの共通点」

共存に失敗する企業の共通点とは、システムを導入しただけで、組織やルールのアップデートを怠っている状態のことです。例えば、EC経由の売上を営業の成績として認めない古い評価制度のままでは、現場は「自分の売上を守るため」にEC利用を拒むようになります。こうした失敗パターンを事前に知っておくことが重要です。

1. 評価制度を変えていない(最重要)

【経済産業省データ】BtoB-EC市場規模の推移棒グラフ(2019年~2023年):2023年の市場規模は約465兆円に達し、右肩上がりで拡大中。電子商取引の実態調査に基づく最新動向

最も多い失敗原因です。「EC経由の売上は会社のもの(またはEC事業部のもの)」としてしまい、営業担当者の数字につかない設計にすると、営業は自分の成績を守るために「ECではなく私に電話注文してください」と顧客に伝えてしまいます。

「担当顧客の注文は、FAXでもECでも100%営業担当者の成績として評価する」。このルールを徹底することが、共存の絶対条件です。

2. データの分断(基幹システムと連携していない)

EC上の在庫数と、基幹システムの実際の在庫数がズレていると、営業は怖くてECを案内できません。BtoBでは正確な在庫・価格情報が必須であるため、システム連携は極めて重要です。

3. 現場を無視したシステム選定

「機能が多ければいい」とトップダウンで決めてしまい、現場の営業や顧客にとって使いにくいシステムを入れてしまうケースです。自社の商流(見積もりの流れや掛率設定など)に合ったシステムを選ぶ必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. ネットが苦手な高齢の担当者が多いのですが、EC化は無理でしょうか?

A. 一気に切り替える必要はありません。最初は営業担当者が訪問時にタブレットで代理注文を行うなど、「ECの方が便利だ」と実感してもらうサポート期間を設けるのが成功のコツです。

Q2. ECを導入すると、顧客との関係が希薄になりませんか?

A. 逆です。単なる「注文取り」だけの会話が減り、「御社の課題はどうですか?」といった本質的な相談時間が増えるため、結果として関係性は深まり、パートナーとしての信頼度が増します。

Q3. 導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. システムの規模によりますが、ASPカートであれば数ヶ月、大規模なカスタマイズが必要な場合は半年〜1年が目安です。まずはスモールスタートで始めることをお勧めします。

まとめ:EC導入は「営業組織を強くする」ための投資

ECは営業の仕事を奪うものではなく、優秀な営業マンほどECを使い倒しています。

「人間にしかできない感情を動かす営業」に集中するために、デジタル(EC)を最強のアシスタントとして活用する。この「ハイブリッド営業」こそが、これからのBtoB業界のスタンダードになります。

まずは自社の営業業務の棚卸しを行い、どの業務をECに任せられるか、検討を始めてみてはいかがでしょうか。

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株式会社ウキヨでは、単なるシステム開発だけでなく、「営業現場が使いやすい設計」「社内評価制度の整備」まで含めた、BtoB ECの導入コンサルティングを行っています。
「社内の説得材料が欲しい」「自社に合った役割分担を知りたい」など、まずはお気軽にご相談ください。

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