【2025年版】BtoB ECサイト比較|カスタマイズ性に優れたおすすめ4選

企業間取引のデジタル化が加速する中、BtoB向けECサイトの構築においては「カスタマイズ性」や「基幹システムとの連携性」はシステム選定において非常に重要なポイントとなっています。単純にECサイト上に商品を掲載し注文を受けるだけでは、従来のFAX・電話対応を代替するには不十分な点が多いかと思います。

本記事では、特にカスタマイズの拡張性や豊富なBtoB ECシステムとして下記の4つの製品を紹介します。

アラジンEC(株式会社アイル)

引用:株式会社アイル,アラジンEC,Web受発注システム・BtoB EC「アラジンEC」,https://aladdin-ec.jp/

提供元の株式会社アイルは、長年にわたって基幹業務システムの構築・導入に携わってきた実績を背景に、カスタマイズ性に優れたBtoB向けECパッケージ「アラジンEC」を展開しています。30年以上蓄積された業務ノウハウをもとに、業界ごとの商習慣や複雑な受発注プロセスにも柔軟に対応できる実践的なソリューションを提供しています。

特に特長的な点としては、「基幹システムの連携に強い」という点です。同社の提供するアラジン・オフィス(基幹システム)だけではなく、他社の基幹システムとの連携にも多数実績があります。

EBISUMART BtoB(株式会社インターファクトリー)

引用:株式会社インターファクトリー,EBISUMART,【公式】「EBISUMART(エビスマート)」クラウドECシェアNo.1【ECサイト構築】,https://ebisumart.com/

クラウドコマースの分野で豊富な実績を持つEBISUMARTは、BtoB ECにおいてもその柔軟性と拡張性で評価されています。業種・業界を問わず700サイト以上の導入実績を誇り、特に年商数百億円規模の大企業からの引き合いも多いのが特徴です。特に「IT部門が存在しない」もしくは「内製でのシステム運用が困難」な企業にとって、ベンダーのサポート体制が手厚い点が強みです。

ecbeing BtoB(株式会社ecbeing)

引用:株式会社ecbeing,ecbeing BtoB,BtoB ECサイト (WEB受注)の構築なら業界実績No.1の【ecbeing】,https://www.ecbeing.net/b2b/

16年連続で国内EC構築市場No.1のシェアを誇るecbeingが提供するBtoB向けソリューションは、BtoBに特化した「ecbeing BtoB」として展開されています。ECビジネスのコンサルティングから構築・運用・プロモーションまでワンストップで対応可能なのが特徴です。オムニチャネル展開やグループ企業間の購買連携を前提とするような、BtoBの枠にとどまらないEC構想を描きたい企業などに最適なシステムです。

Shopify Plus(Shopify)

引用:Shopify Japan,Shopify Plusプラットフォーム | スケーラブルなコマースソフトウェアとソリューション – Shopify 日本,https://www.shopify.com/jp/plus

D2C領域で圧倒的なシェアを誇るShopifyが、近年注力しているのが「BtoB on Shopify」。Shopify Plus限定の機能として、法人取引向けの価格管理や承認フロー、決済条件の設定などを拡張性があり、現在米国を中心にBtoB領域も急速に拡大しており、グローバル市場では新たな選択肢として注目を集めています。

カスタマイズの柔軟性について比較

BtoB ECシステムを導入する際に、多くの企業が重視するのが「カスタマイズ性」です。既存の業務フローや業界特有の取引形態にフィットさせるには、標準機能だけでなく、柔軟に手を加えられる仕組みが不可欠です。

ここでは、カスタマイズ対応の実績や柔軟性に定評のある4つのプラットフォーム(アラジンEC、ebisumart BtoB、ecbeing BtoB、Shopify Plus)を比較対象とし、それぞれの強みを整理していきます。

アラジンEC:業種特有の業務に“そのまま”寄り添う柔軟なカスタマイズ力

アラジンECは、パッケージ製品でありながら、個別の業務フローや取引形態にきめ細かく対応できる“実務寄り”のカスタマイズ性を大きな強みとしています。業界や企業ごとに異なる発注形態、帳票の様式、取引条件などに合わせて、柔軟に機能を追加・調整できるため、既存の運用を大きく変えることなくスムーズなEC導入が可能です。

「自社の業務は複雑で、Web化は難しい」と感じていた企業でも、アラジンECのカスタマイズ事例を見れば、その実現性の高さに驚かされます。ここでは、理美容品、食品卸、アパレル、自転車用品といった多様な業種での導入事例を通じて、アラジンECの柔軟な対応力を詳しく紹介していきます。

アパレル業界

展示会での紙・Excelによる受注、ブランド別の注文仕分け、輸入品在庫の問い合わせ対応といった業務負荷を軽減するため、在庫制御や入荷予定情報の連携、担当者別のサンクスメール送信などをカスタマイズ。結果として、基幹システムへの転記作業の削減や、在庫問合せ対応の自動化を実現しました。

・車部品卸業界

車種別パーツの照会、複数代理店を通じた帳合処理、電話・FAX注文との情報統合といった煩雑な業務に対して、ECではない流入経路の注文履歴統合、代理店選択型の注文プロセス、地域別倉庫在庫の表示制御を実装。結果として、社内作業の簡素化と確認作業の大幅削減につながりました。

・理美容品業界

「Web化は難しい」と諦められていた、キャンペーン商品との複雑な組み合わせ販売や荷姿ごとの制御、サンプル出荷、代理店対応といった独自業務をEC上で実装。その結果、得意先・営業・事務それぞれの確認業務が削減され、誤発注防止と経費削減を同時に実現しました。

EBISUMART:クラウド環境下でも柔軟な業務要件に応えるカスタマイズ力

EBISUMARTは、クラウドサービスでありながらパッケージのような柔軟性を持ち、外部システムとの連携や法人特有の業務プロセスの最適化にも対応可能です。「セキュリティ標準装備」「自動アップデート」による安定運用を保ちつつ、個別要件に対してはしっかりと“作り込む”ことができる拡張性の高さが支持されています。

以下では、実際に導入された企業の課題と解決策を通して、EBISUMARTのカスタマイズ力を紹介します。

・スポーツ用品業界

従来はFAXや電話による受発注が中心で、在庫確認や納期回答に営業担当の工数がかかっていました。EBISUMARTで、商品情報や在庫状況をリアルタイムで確認・発注できるBtoB-ECを構築。あわせて、社員販売にも対応するDtoCサイトも展開し、社内業務も効率化。FAXは年間約3万枚削減され、問い合わせ数も23%減少。お取引先が営業日に依存せず発注可能となり、営業活動の質も向上しました。

・製造・資材業界

全国に拠点を持ち顧客が多い中、在庫照会・価格問い合わせ対応の業務負荷が課題でした。EBISUMARTを活用し、法人会員向けのBtoBサイトを構築。価格や在庫を即時確認できる環境を提供し、見積書作成や発注もサイト上で完結。導入当初100社だった利用企業は600社以上に増加し、紙の価格表も廃止。スマホ対応により、外出先からの照会も可能となり、顧客満足度と業務効率が大きく向上しました。

ecbeing BtoB:戦略的な業務設計に対応する“構築自由度の高さ”

ecbeing BtoBは、単なる発注サイトを超えて、業務プロセスや事業戦略そのものをデジタルで最適化できる柔軟な構築力が強みです。長年にわたるBtoC・BtoB双方のECサイト構築実績をもとに、業種・業態ごとの業務要件に応じて「ゼロから設計する」ような自由度を提供します。

以下では、実際に導入された企業の課題と解決策を通して、ecbeingのカスタマイズ力を紹介します。

展示会受注の効率化(アパレル/雑貨業界)

販売会や展示会でのオーダーは紙やExcelが中心で、記入・転記・確認作業が煩雑でした。ecbeingでは、タブレットを活用し会場で直接ECから発注できる「展示会用オーダー画面」を構築。また、事前に作成されたExcelオーダーシートもそのままインポート可能な仕組みを用意しました。これにより、バイヤーと営業双方の手間が大きく削減され、受注業務の精度とスピードが飛躍的に向上しました。

カスタマーサポート業務の効率化(機器・精密部品系)

得意先からの修理依頼や資料請求、仕様確認などが営業担当に集中し、サポート業務がボトルネックになっていました。ecbeingでは、納入機器のステータス確認、修理履歴の共有、仕様書のダウンロードができるカスタマーポータルサイトを構築。問い合わせや手配依頼の一元化によって、営業担当者を本来の活動に専念させることが可能となり、顧客満足度の向上と業務効率の両立を実現しました。

送料計算の最適化(文具・オフィス用品)

同一企業の複数部門から個別注文が発生し、配送件数と送料が膨らむという課題に対して、同梱可能注文の自動判別・再計算処理を開発。締め時間内の注文を自動的にまとめて処理し、必要に応じて過去注文のデータも書き換える設計を導入しました。結果、1日の配送件数とユーザー負担送料の双方を削減し、価格競争力のある運用を実現しています。

Shopify :Shopifyアプリストアによるカスタマイズの豊富さ

アプリストアを通じてB2B向けの高度な機能拡張が可能です。たとえば、顧客ごとの価格設定、最小注文数の設定、数量割引、請求書払い、多通貨対応、さらにはB2B専用ログインページの実装など、取引先の業務プロセスに合わせた柔軟なカスタマイズが実現できます。

特に「B2B/Wholesale Solution」や「SparkLayer B2B & Wholesale」などのアプリを活用することで、既存のShopifyストアに対して、卸売専用機能やセールスチーム管理機能を後付けすることが可能です。これにより、展示会での受注、特定取引先への限定販売、法人顧客向けのオーダーメイド取引など、業種や規模を問わず多様なB2Bモデルに対応できます。

ShopifyはBtoBに対応している?Plus機能と導入コスト

まとめ

一口に「BtoB ECシステム」といっても、業務フローの複雑さや、社内のIT体制、事業戦略によって“最適解”は大きく異なります。
実際に、アラジンEC・ebisumart・ecbeing・Shopify Plusといった代表的な製品だけでも、それぞれ得意とする領域や適合する企業規模・体制は大きく異なります。

だからこそ、「自社にとって最適な一社」を見極めるには、比較検討の設計そのものが重要です。

私たちは、国内外12社のBtoB ECシステムから、業務や成長戦略にフィットする最適な一社をご紹介しています。
選定にお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。