「FAXや電話での受発注業務が限界に来ている」「D2Cだけでなく、卸販売もオンライン化して売上を伸ばしたい」
そうお考えの企業担当者様にとって、世界No.1シェアを誇るECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」は、いま最も有力な選択肢の一つです。
かつては「Shopify=個人向け(D2C)」というイメージが強かったものの、現在では「B2B on Shopify」という強力な法人取引機能を備え、多くの企業がBtoBサイトとして導入を進めています。
本記事では、Shopifyで実現できるBtoB取引の仕組みから、専用機能の詳細、Bカートなどの国産ツールとの比較、導入コストまでを徹底解説します。
ShopifyでBtoB(卸取引)サイトは構築できるのか?
結論から申し上げますと、ShopifyでのBtoBサイト構築は十分に可能です。
Shopifyには、以下の2つのアプローチが存在します。
なぜ今、BtoB ECにShopifyが選ばれるのか
最大の理由は「B2C(一般消費者向け)」と「BtoB(卸売向け)」を1つのサイト・管理画面で統合管理できる(ハイブリッドストア)点にあります。
従来のカートシステムでは、B2CサイトとBtoBサイトを別々に立ち上げる必要があり、在庫管理や商品登録の手間が2倍になっていました。Shopifyであれば、在庫を一元化しながら、ログインした顧客(卸業者)にだけ「卸価格」を表示させるといった運用が可能です。
Shopify PlusのBtoB専用機能「B2B on Shopify」とは?
Shopify Plusプラン(最上位プラン)で利用できる標準機能群「B2B on Shopify」を使えば、日本の商習慣に合わせた複雑な取引設定が可能になります。主な機能は以下の通りです。
1. 会社(Company)プロファイル機能
取引先企業ごとに「会社情報」を作成し、その中に複数の担当者や配送先を紐づけることができます。
2. カスタム価格設定(Catalog)
取引先ごとに表示する商品や価格を出し分ける「カタログ」機能です。
- 掛率設定: 「全商品30%OFF」「特定カテゴリのみ50%OFF」などの一括設定。
- 商品出し分け: A社には専売商品を表示し、B社には表示しないといった制御。
- 固定価格: 掛率ではなく、「この商品は1,000円」と個別に価格を指定することも可能。
3. 柔軟な支払い条件(掛け払い)
BtoB取引で必須となる「掛け売り(請求書払い)」に対応しています。
- 支払いサイト設定: 「月末締め翌月末払い」などの条件を企業ごとに設定可能。
- 与信管理: チェックアウト時に、事前に設定した支払い条件が自動で適用されます。
- MOQ(最小注文数): 「最低10個から注文可能」「ケース単位(12個)でのみ注文可能」といった制限もかけられます。
▼あわせて読みたい
🧾 インボイス制度対応と請求書発行 Shopifyで適格請求書を発行するポイント4. 下書き注文とカンタン再注文
- 営業担当による代理注文: 電話で受けた注文を、社内の営業担当が管理画面から入力し、取引先に確認メールを送って決済してもらうフローが組めます。
- 再注文(Reorder): 飲食店や小売店など、定期的に同じ商品を仕入れる顧客は、マイページから過去の注文内容をワンクリックで呼び出し、再発注が可能です。
Shopifyと他社BtoBカートの徹底比較
「Bカート」や「アラジンEC」、「ecbeing」などの国産BtoBカートと、Shopifyは何が違うのでしょうか?
以下の比較表をご覧ください。
| 比較項目 | Shopify Plus (B2B on Shopify) |
国産BtoBカート (例:Bカート等) |
|---|---|---|
| 主な用途 | B2CとBtoBの統合運用、 グローバル展開 |
BtoB専用サイトの構築 |
| デザイン性 | 非常に高い(自由自在) | 低め(テンプレート固定が多い) |
| 機能拡張性 | アプリで無限に拡張可能 | 基本機能のみ(カスタマイズは要相談) |
| B2Cとの併用 | 〇 1つのサイトで両立可能 | × 基本的に別サイトになる |
| 海外対応 | ◎ 多言語・多通貨に対応 | △ 基本的に国内向け |
| 初期費用 | 構築パートナーによる (数百万円~) |
数十万円~ (導入しやすい) |
| 月額費用 | 約38万円~ (為替により変動) |
1万円~5万円程度 (プランによる) |
| 向いている企業 | D2Cも強化したい、 ブランド世界観を重視する、 将来海外展開したい |
コストを抑えたい、 完全に卸専用と割り切る、 デザインにこだわらない |
Shopifyが向いている企業
- すでにShopifyでD2C(直販)を行っており、管理を一本化したい企業。
- アパレルやコスメ、食品など、ブランドの世界観(デザイン)をBtoBサイトでも表現したい企業。
- 将来的に海外のバイヤーへ卸販売(越境BtoB)を行いたい企業。
Shopifyが向いていない企業
- 「商品点数が数万点あり、デザインは一切不要、とにかくリスト形式で発注できれば良い」という企業。
- 「月額コストを数万円に抑えたい」というスモールスタートの企業(※この場合はShopify通常プラン+アプリでの構築、またはBカート等が推奨)。
▼他社カートとの詳細比較記事
🆚 BカートとShopifyの機能・料金比較 国産No.1カートとShopifyの違いとは 🆚 ecbeingとShopifyの機能・料金比較 大手向けカート2強の徹底比較 🆚 アラジンECとShopifyの機能・料金比較 基幹システム連携に強い2社を比較ShopifyでBtoBを導入する場合のコスト(費用感)
Shopifyで本格的なBtoBサイトを構築する場合、コスト構造は大きく「月額ランニングコスト」と「初期構築費」に分かれます。
1. ランニングコスト(月額費用)
Shopify Plusプランの利用料金がかかります。契約期間によって金額が異なります。
- 月額料金:約38万円 /月(1年契約の場合)
- ※3年契約を結ぶことで 約35万円 /月 に割引されます。
- 変動プラットフォーム手数料
- 月間の売上規模が非常に大きい(約1億5,000万円以上)場合のみ、売上の0.25%が月額料金として適用されます(月額料金と0.25%を比較し、高い方が請求される仕組みです)。
- 決済手数料
- Shopify Paymentsを利用する場合、国内カード決済手数料(他プランより優遇されます)が取引ごとに発生します。
※記載の日本円価格は$1=150円換算の概算です。Shopifyからの実際の請求は米ドル建てとなり、為替レートにより毎月変動します。
この月額費用には、サーバー維持費、セキュリティ対策(SSL)、24時間サポート、アップデート対応費用などが全て含まれています。従来の自社サーバー型システムでかかる保守管理費と比較すると、トータルコストは適正範囲に収まるケースが多いです。
2. 初期構築費用
制作会社(Shopifyパートナー)に依頼する場合の相場です。
- 相場:300万円 ~ 1,000万円以上
- ミニマム(300万円~): 既存テーマを活用し、Shopify標準のB2B機能を設定・導入する場合。
- カスタマイズ(500万円~): 基幹システム(ERP)との在庫連携や、独自のデザイン実装を行う場合。
- フルスクラッチ級(1,000万円~): 特殊な商流に合わせたアプリ開発や、大規模なデータ移行を伴う場合。
【事例紹介】ShopifyでBtoBを成功させた企業の実例
実際にShopifyを活用してBtoB ECを成功させている国内企業も増えています。
事例1:食品メーカーのD2C・卸統合
これまで電話とFAXで受けていた卸注文をShopify Plusでデジタル化。D2Cサイトと同じドメイン内で「ログインした卸業者にのみ卸価格を表示」することで、在庫管理を一元化し、機会損失を大幅に削減しました。
事例2:アパレルブランドの展示会受注
展示会での発注をタブレット端末(Shopify POSやB2B機能)で行うことで、集計作業を自動化。誤発注をゼロにし、リードタイムを短縮しました。
ShopifyでBtoB ECを成功させるために
Shopifyは単なる「カートシステム」ではなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する基盤です。
- 「FAXで受けた注文を手入力する時間をゼロにする」
- 「在庫をリアルタイムで共有し、欠品トラブルを減らす」
- 「営業担当が外回り中にタブレットで代理注文を作る」
これらを実現するためには、ツールを導入するだけでなく、「社内の業務フローをどう変えるか」「基幹システムとどう連携するか」という視点が不可欠です。
Shopify Plusを活用したBtoB構築は、D2Cとは異なる専門知識(与信管理、掛け率設定、インボイス対応など)が必要です。導入を検討される際は、「BtoBの商習慣に精通したShopify Plusパートナー」に相談することをお勧めします。
ShopifyでのBtoBサイト構築・DX支援なら
株式会社ウキヨにご相談ください
「現在の基幹システムと連携できるか不安」
「日本独自の複雑な商流(掛け率・販路)を再現したい」
株式会社ウキヨでは、Shopifyを活用したBtoBサイト構築において、単なる制作だけでなく「業務フローの設計」からサポートいたします。
貴社の課題や要件に合わせた最適なプランをご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。
